清水真哉のラーメン


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ラーメンとつけ麺

七年前に、自分もつけ麺に傾き、つけ麺を食べるようになったと書いたが、今はまたすっかりラーメン派に戻ってしまっている。
七年前に書いた通り、麺の量当たりの価格でいくと、ラーメンよりつけ麺の方が割安なようである。それはラーメンの方がより多くのスープを供さなくてはならないからではないかと思われる。
しかし自分にとってスープを飲むということの価値は、ラーメンを食べることの中で三割以上は占めているのではないかと思う。そうした場合、つけ麺の漬け汁を後からスープ割りしたものと、あらかじめ味の調整がしてあるラーメンのスープでは比較にならない。
またラーメンの器に入っている具は自然と食べていけるのだが、つけ麺の漬け汁の野菜や肉は、なぜそれがそこになくてはならないのか、違和感を感じてしまうのである。今のつけ麺はつけ麺として誕生したものと言うより、ラーメンをつけ麺化したもので、まだラーメン時代の臍の緒を残したもののように感じられる。もっともラーメンには見られない、つけ麺ならではの漬け汁を開発している店も現れてはいるが。
今日、特に書きたいことは、なぜつけ麺に力を入れた店では、ラーメンの味でピントを外していることがままあるのかという問題についてである。
ラーメンの味の設計は難しい。
ラーメンはその麺を食べた時に、スープを吸った麺が適切な味加減になっていなくてはならない。そのためには、麺の細さ太さ、麺の加水率、つまり麺によるスープの吸い具合を考慮した上で、スープの味加減、塩加減を計算しなくてはならないだろう。
そして同時に、スープだけを飲んだ時にも、味加減、塩加減が最適になっていなくてはならないのである。この両立はそれほど簡単なことではないだろうと、ラーメンを自分で作ったことのない者としては、想像する他ない。
一つの店で、つけ麺も提供しようとなると、つけ麺の場合、汁に浸しきりになるラーメンよりも、漬け汁の味を濃くしておかないと、麺と汁の味のバランスが取れないであろう。ただつけ麺では汁を飲む時にスープ割りで濃度を調節するので、調理の段階では汁を単独で飲む際の味を考慮する必要はない。
つまり、ラーメンとつけ麺の両方を提供する店では、ラーメンで二ポイント、つけ麺で一ポイント、味のバランスを取らなくてはならない。
ラーメンしか出さない店、つけ麺しか出さない店と比べると、困難は増しているはずである。
このあたりに、つけ麺で評価の高い店でラーメンを食べた際に、どこかしっくり来ない思いをすることがある、その原因が潜んでいるのではないか。
2016/9/5


自分はラーメンに凝っているのであって、つけ麺は自分のジャンル外などと言っていたのだが、つけ麺を食べ始めてしまった。
つけ麺を好んで食べるようになった最大の理由は、麺の量の多さである。
ラーメンの麺の量では軽食という感じがあるが、300gから400gあるつけ麺は立派な一回の食事になる。
蕎麦屋の伝統のある日本において、中国伝来の中華麺についてまず汁蕎麦の汁の革新が起こり、次に盛り蕎麦のアナロジーで浸け汁に汁蕎麦のスープで培った料理法を一気に凝縮する動きが出てきたことは当(まさ)に必然であったと言えよう。
つけ麺を食べ始めて極めて疑問を感じることは、具のあり方である。
盛り蕎麦流の考え方からして、浸け汁には薬味的な働きをするものは入っていてもいいが、具は必要なのであろうか。
麺を汁に浸けて食べ終える。それから浸け汁を飲んでしまうのであるが、その時になぜ一緒にメンマやチャーシューを食べなくてはならないのか、自分には合点がいかないのである。
それが欲しい人にはオプションのトッピングとして提供して、具は何も入らない代わりに定価を百円なり二百円なり安くしてくれる基本メニューとしての浸け麺があれば私には嬉しいのだが。
ついでに言えば、浸け汁の量ももう少し少なくても私は困らない。
2009/10/3


つけ麺ブームになったから麺が注目されるようになったと言う人がいるが、それは違う。
ラーメンにおいても麺はスープに劣らぬ主役で、麺が駄目でラーメンが美味しいなどということはあり得ない。
しかしこうした意見が出るということは、ラーメン界がスープや具に比べてまだまだ麺に本気で取り組んで来なかったことの現われなのかも知れない。
私の希望としては、自家製麺に挑戦して小麦のおいしさを堪能させてくれる店がもっと増えて欲しい。
2007/9/29


インスタント・ラーメン


いま使える、生きてるラーメンサイト

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ご当地ラーメン探訪

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ラーメン・つけ麺の人気店&レストラン - ぐるなび

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私がラーメンにはまるきっかけ、というより私の人生における第二のラーメンブームのきっかけとなった本:
武内 伸『読まずに食えるか、ラーメン王国の歩き方』光文社文庫

第一次ブームは大学時代でした。そのころ参考にしていたのは、山本益博『東京味のグランプリ1985』講談社でした。
当時行った店は、渋谷道玄坂「喜楽」、神保町「さぶちゃん」、東池袋「大勝軒」、恵比寿「香月」「恵比寿ラーメン」など。
このころ既に札幌味噌ラーメンは当然として、九州ラーメンも進出していて、渋谷に何度か行った博多ラーメンの店などもあり、新宿の桂花も存在していた。だが全体として主流はまだまだ東京醤油であり、山本益博のラーメンに関する美学も東京醤油を至上のものとしていたように見られる。それは「ラーメンのスープのベースは、鶏がもっとも合うはずである。」(P208)の一文に表れていると思う。
『東京味のグランプリ1985』という本は、ラーメンだけの本ではなく、他はすし、そば、てんぷら、うなぎ、洋食といった部立てがあり、私もラーメン屋だけに行っていた訳ではなく、まあ私も人後に落ちずバブルの時代にグルメの真似事をしていたということでしょう。
今私が渦中にある第二次ラーメンブームを起こしたきっかけは新横浜ラーメン博物館、武内伸の本なのだが、私のラーメン熱が新たになるには客観的な要因があったのである。それは武内氏の用語では「ご当地ラーメンブーム」と呼ばれるもので、つまり日本全国の土地毎の特徴的なラーメンに光が当てられるようになり、そのいくつかは東京でも食べられるようになったことである。さらに横浜家系など新たな動きも出てきて、つまり私がラーメンから遠ざかっている間に日本のラーメン・シーンは大きく変化していたのである。武内氏の本は私にこうした流れに気付かせてくれたということで意味があったのである。
この新しいラーメンシーンの中核をなす象徴的な存在は、豚骨醤油というフュージョンラーメンだと思う。
『ラーメン王国の歩き方』(1999年)が私に教えてくれたことは、日本のラーメンの地理的広がりとともに、日本のラーメンの歴史である。そして歴史と地理を知ることで、ラーメンの分類学が見えてきたのである。(2002/10/20)

いまお勧めのラーメン本:大崎裕史『無敵のラーメン論』講談社現代新書 2002年
さすがたくさん食べ込んでいるだけあって知識が豊富。
武内伸の本よりも体系的に記述してあり、ラーメンの各パーツについての詳細な分析があり大変勉強になる。
ラーメン入門者には必読の書。

大崎裕史氏によるall about ラーメン

小菅桂子『にっぽんラーメン物語』駸々堂出版1987年→講談社+α文庫1998年

石毛直道『文化麺類学ことはじめ』講談社文庫 1995年(原著は1991年)

岡田 哲『ラーメンの誕生』ちくま新書 2002年(この本にはオリジナルの情報は少ない。)

坂本一敏『誰も知らない中国拉麺之路―日本ラーメンの源流を探る』小学館101新書 2008年

佐々木晶『ラーメンを味わいつくす』光文社新書

石神秀幸『首都圏ラーメンSELECTION 2005 神の舌を唸らせた 198軒』双葉社スーパームック


五大麺:山西刀削麺、北京打滷麺、山東伊府麺、河南魚焙麺、四川担々麺

中国五大麺と称されるが、そのうち刀削麺と伊府麺は麺の製法に関して特色があり、打滷麺と魚焙麺は上に載せる具に対する命名である。担々麺は具とスープの一体化したものについての名称であろう。

日本のラーメン職人達は、中国から日本に来て働いていた調理人から麺料理を教わって、そこから自分達のラーメンを作り上げていった訳だが、そろそろ自分達が中国に出掛け、中国の麺料理から教われるものを根こそぎ学び直してくる時期に来ているのではないだろうか。(2016/12/7)

刀削麺の技法を取り入れる日本のラーメン屋が出てきて欲しい。(2016/12/7)


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