ワインの評価 1996年10月〜12月

 

マウレ地区Curic*県, Caliterra, '94, Sauvignon Blanc, 12.0%, サンクス 1000円
1996・10・2
生産者の味の作り方の特性が出ているのであろう。上のワインに大変よく似ている。だがシャルドネと違ってこれは少しも水っぽくない。香味がある上に味が引き締まっている。ただシャルドネほど芳香はない。これは酸味が強くあって非常に爽快。土壌にミネラル分があるのだろうか。またちょっと茎っぽい生の植物の感じがある。巧く表現できないが。

RG, Kiedricher Sandgrub Riesling Kabinett, '86, Winzergenossenschaft Erbach
1996・10・3    87年城詰  高崎屋 2000円→只
青林檎色。まだ若ささえ感じさせる強い林檎の酸味。酸化はしていない。

Crozes Ermitage 'Les Meysonniers', '95, M.Chapoutier, 12.5%, やまや新宿店
1996・10・3   1400円
価格相応のものという気がする。いろいろ複雑な味の要素を持ってはいるが、これといった魅力がない。エルミタージュの方に期待したい。

Margaux, Ch.Brane-Cantenac, '79, 城詰 蔵人 6300円
1996・10・3  料理:ロースト・ポークのプラム・ソース添え
高級シャトーならではの凝縮されたカベルネの芳香を感じた。味覚もすぐれたもの。ただ酸があまり良くない年のものに思える。もっと力強く健康なワインであってほしい。

Maipo Valley, Caliterra, '94, Cabernet Sauvignon, 12.5%, サンクス 1000円
1996・10・5
開栓して二日経っていたからであろうか、大変まろやかに感じた。微かに甘味を感じるのが嫌だが、日常用の飲み物としては十分いけるもの。

Roero Arneis, '94, Malvira' S.Guglielmo, 12%, やまや 1900円
1996・10・11 料理:アクア・パッツァ
薄い黄緑色。典型的なイタリアの白の芳香が、凝集されて匂ってきた。品のある酸味が長く続く。上質のイタリアの白白ではあるが、この古代葡萄の特性と言うべきものは見いだすことが出来なかった。他のDOCで同じ質のものをもっと安く飲めるのではないか。

Bordeaux, '93, R de Rieussec, 12%, 城詰ではない。 大林 1800円
1996・10・11
色は非常に薄い。香りに特徴あり(豆を茹でたときのような香りを感じた)。味は、悪くはないが、特にどうということもない。フルーティで軽い、気軽に飲むカジュアルなワインという感じ。これが甘口だとどんなふうに化けるのか興味津々。
セミヨンとソーヴィニョンが半々。チリのソーヴィニョンのような香辛(スパイシーさ)はない。これは今まで僕が知っているボルドーの白と同じ水準でしかない。ボルドーの白の可能性を知ってみたい。ソーヴィニョンだけで作るというのも一つのやり方なのかもしれない。だが本当に偉大なワインをソーヴィニョンだけで作れるのだろうか。グラーヴの格付けされているものは赤も白も全てペサック=レオニャンにある。ソーテルヌはただのグラーヴにあるわけだから辛口の白の生産地としては大したことがないと考えるべきなのか?いずれにせよペサック=レオニャンの白を飲んでみたい。

Vino Nibile di Montepulciano, '92, Poggio Pagano, 13%, さり船橋店 1280円
1996・10・13
寝酒が欲しかったので、92年のイタリアワインはあまり良くなく、値段も安めなので、パーカーさんが、92年には意外といいものもあると言っているにもかかわらず、開けてしまった。まだちょっと収斂性の渋みが残っており、イタリアワイン独特の酸味もたっぷりあった。もう一年置いたら、偉大とはいかないまでも、もっと滑らかでいいワインになったろう。
寝酒用に、千円以下で直ぐ飲めるものを常に1、2本用意しておきたい。

Savigny-les-Beaune, "Les Bourgeots" '92, 12.5%, Simon Bize & Fils, Domaine詰め
1996・10・18    良酒倉庫 2300円
一級畑ではない。ある程度実験的に早めに開けてみた。ブルゴーニュ独自の芳香がもうかなり現われてきているが、一方酸味と収斂性の渋みもまだいくらか残っている。あと半年か一年は置いておいておいたほうが良かったと思う。このクラスのブルゴーニュでも5年は置いておくべきだということが判った。このワインはなかなかいいものであった。十分満足できる内容。
ブルゴーニュのストラクチャーはやはりバローロのものに似ている。タンニンと酸はどちらが多いだろうか。熟成期間は同じ位の筈ではなかろうか。

Verdicchio di Matelica, '93, Bisci社, 12.5%, しまや 1128円
1996・10・20
色は淡い黄緑色。香りが良い。フレッシュではあるが、どこか熟成させたワインのような桃系の香りが隠されている。味もとても良い。イタリアワイン独特の酸味の他にほのかな甘味を感じさせて、これがたいへん魅力的。以前に飲んだ同じ銘柄のワインにあった苦みは感じられない。今までに飲んだイタリアの白ワインのなかでは1、2を争う出来栄えのワイン。お買い得だった。

Morey Saint-Denis Premier Cru, '77, Dom.Dujac, ドメーヌ詰 蔵人 4500円
1996・10・25
色はかなり熟成が進んでいるのか(ほとんど限界)オレンジがかったガーネット色になっている。光にかざすともうかなり淡い色調になっているのが判る。香りはよい。ブルゴーニュのよいワイン独特のふわりと立ち上ってくるような芳香。ただ、以前飲んだカゼティエールに感じられた花の開いたような香りとは違い、土のような、黴のような、そしてどこか針葉樹の葉の香りを思わせるような落ち着いた香りがする。味の方はしかし残念ながら手放しで誉めるわけにはいかない。あまりよいヴァンテージではないのか味のバランスがいまひとつ。酸味がおもてに立つのと、場合によっては甘さが感じられる。また味そのものの凝集度がカゼティエールとは比べものにならない。悪い年のいい見本ではあった。しかし香りの良さのせいかそれなりの満足は得られた。
香りは素晴らしいが、味は良くない年のワインの酸味がある他は空っぽ。

Medoc (Vensac), Ch.Le Bernardot, '90, 11%, 城詰 大林 1600円
1996・10・26
先月くらいに飲んだ二つの90年ボルドーと非常に似た味。ジョンソンがACメドックのワインはいくらか土臭いと書いているが、この香りがそうなのだろうか。このワインはメルローの比率が高いのだろう思う。もう少し置いておけば良かったとは思うが、空間をとって保管しておいた労に見合うだけ良くなるかは判らない。この位の若さで飲むのだったら、グルナーシュを主体にしたワインの方が飲みやすい気がする。カベルネが入ってくると、なかなか取り扱いにくくなる。中途半端なボルドーを買うのは止めにすることにしたい。バ・メドックとラランドはどちらが上だろうか。

Barbaresco, '82, Imbottigliato all'origine nell'azienda agricola "I Paglieri" da Alfredo e Giovanni Roagna,
Vilicoltori-Barbaresco, 13.50%, 船橋西武 5800円
1996・10・31
初めて飲んだグレートヴァンテージの畑もののピエモンテワイン。香りが素敵。花(すみれ)のような艶やかな芳香。色も美しいすみれ色。ただ、味の方はかなり力強い。アルコールの感じが強く、パンチのきいたワイン。イタリアワイン独特の酸味もある。渋みもかなり残っていたので、まだまだおけたということか。これもまた一瞬ブルゴーニュを思わせるものではあったが、このワインの力強さはやはり南国のもの。その点で、やはり確たる個性を持っているというべきか。
畑ものかどうかは不明。アンダーソンを見よ!

Saint Chinian, '92, Mis pour GVG par Dom.de Bastide Rousse - Villespassans, 12%,
1996・10・31  あつたで注文した。1500円。
これはお粗末。妙に甘口。このAOCはまだ信頼するに足りないというべきか。ラングドック・ルションのものも、生産者がしっかりとしているものだけを選んでいくようにしたい。
翌朝飲んだら別に甘くもない。流れ足は弱い。色はもうそんなに若くもないが、まだ酸味と渋がある。いずれにせよ大したものではない。
これは先のバルバレスコを飲んだあと飲み足りないから開けてグラス一杯で止めたのだが、今度からこのような時はデザートワインを飲むようにしたい。
 *前日に感じた妙な甘さはどうやらその時食べていたチ−ズが原因だったらしい。

Beaune Aigrots (Premier Cru), '76, Leroy(N*gociants), 13%, やまや 5000円
1996・11・2
色はまだ若さを感じさせる美しいバーガンディレッド(木苺を思わせる)。香りは開けたてのときはまだ眠っている感じであったが、徐々に素晴らしい芳香がまさに文字通り立ち上ってきた。前に飲んだカゼティエールは花というか、フレグランス系の香りであったが、これは干した果物を思わせるもの。どちらもピノ・ノワールでありながらこのようにそれぞれ個性の異なる香りがでるのはなぜだろうか。しかしいずれにせよこの芳香がこの葡萄の命であることには違いない。味の方も素晴らしい。アルコールの力強さをまだ感じさせながらもまろやかで、まだ少し残っている渋みと酸味もバランスがとれていて心地よい味。まだすこし若いとすら思わせる。ルロワおそるべし。真哉は、ブルゴーニュは熟成させずにさっさと飲むという宗旨を変えるにいたった。蛇足ながらとにかく澱がすごい!ああと一、二年は置いておくべきだったかもしれない。もしくは飲む三十分前には開けておくべきだった。古いワインは香りが弱くなっているから、直前に開けたほうがよいと思っていたのだが、違うのだろうか。飲み終わる最後のグラスくらいになってこのワインの偉大さを予感した。ウォームアップさせておかなくてはならなかった。

Coastal Region, Libertas, Stellenbosch Farmers' Winery, '94, Cabernet Sauv, 13%,
1996・11・6   船橋東武 580円

Graves Blanc, La Valini*re, '93, Borie Manoux社, 12%, 城詰ではない
1996・11・7   近江屋酒店 800円
色は淡い黄緑。香りも味もその色とマッチした、若々しく、すがすがしいフルーティーなもの。しかしいかんせん没個性。Der Wein ohne Eigenschaften といったところか。チリのソービニョン・ブランのほうがしっかりした個性が感じられた。グラーブ・ブランはブルゴーニュ・シャルドネに比べてまだまだ平均的水準は低いということか。

Rioja Reserva, '78, Agessimo, Felix Azpilicueta Martinez, Bodegas AGE, 12.5%,
1996・11・11  船橋東武 2500円
薄い色彩。コルクが一部沈没したので初めてデカンタージュしてみたが、そのためか見事に繊細な芳香が立ち上った。この香りはブルゴーニュのものに酷似しているが、それは樽のヴァニラ香に由来しているのであると思う。味はしかし水っぽいわけではないが、ぴらぴらである。
確かにどことなくブルゴ−ニュを思わせるワインではあるが、両者は香り、味そのものの点では異なっている。まず香りだが、ブルゴ−ニュが花や熟した果実を思わせる香りであるのにたいして、これは甘いバニラの香りが前面に出ている。ただ、芳香の立ち方の点で両者は酷似している。どちらも花の開くような華やかで洗練された楽しいもの。味はまず酸味の意外な少なさを感じる。また、ブルゴ−ニュのようにアルコ−ルを感じさせるものではない。とはいっても決して中身がないわけではなく、なめらかで心地よいワイン。どこかほのかな甘さを感じさせる後味が特徴的。このワインのきめの細やかさは極上のブルゴ−ニュに匹敵するもの。リオハをちょっと見縊っていたようである。
偉大なワインであった。酸味と渋みはまだ残っていた。僕はスペインワインはバニラ香が特異に強調されたものであるという印象を持っていたが、樽の香が薄れるまで壜熟させなくてはならないということなのであろうか、ヴァニラ香はブルゴーニュなどのものと変わらないくらいに影をひそめていた。ブルゴーニュ、バローロ、リオハのテクスチャというか構成には共通したところがある。ただリオハはアルコールが弱いせいか、意外に細身であった。これはレゼルバであったが、グラン・レゼルバがどんなものであるのかぜひ試してみたい。

Alexander Valley, '87, Ch.Souverain (Geyserville, Alexander Valley), 11.8%,
Chenin Blanc,  生産者詰め あつた 1200円のものを只でもらう
1996・11・16
一年以上前に店で試飲したときは、非常に酸味が強く、店の人は酸化しているなどと見当違いなことを言っていた、おかげで只でもらえたのだが。刺激的な酸味はすっかり落ちていて、固有の芳香が姿を現していた。口に含んだときの味わいが重く粘っこくそして香辛味にまさっていた。ヴヴレーとも南アフリカのステーンとも違った味。傾向としては南ローヌのものに近いのであろうか、いやそれよりもっと強烈な個性を有している。パーカーが用いている「悪意に満ちた」というとんでもない形容詞に、どこか納得させられてしまう。これは名品と言える纏まりは得ていないが、大変な可能性を感じさせる葡萄品種である。

Crozes-Hermitage, '92, Michel Courtial(ブランド名?), 12.5%,
Cave de Tain L'Hermitage(1933年設立の北ローヌ最大の生産者協同組合.486の生産者)
1996・11・18   蔵人 1280円
白に関してだけはHachetteにも載っている協同組合。よくない年であるせいか、ちょっと貧相なワイン。濾過をしているような透明さ。非常に若いボルドー、特にメルローに近い香り。若さゆえの収斂性の渋み。それにきつい酸味、これは出来の良くない年のもの。ここからシラー種について何かを知ることが出来るだろうか。協同組合ものはやはりパスしたい。クローズには独立した生産者が少ないのであろうか、アシェットにもパーカーにもあまり名前が出てこない。クローズは北ローヌの中でだいぶ格落ちだと思っておいたほうが良いのか。オーストラリアン・シラーズに比べても、かなり落ちるのではないか。
香りは木苺のような、ストレ−トにくだものを感じさせるものである。ちょっと味が薄い。値段分くらいの味。

Bourgogne Pinot Noir, '94, 12.5%
Cellier des Samsons 社{Les Producteurs Reunis, Maison du Vigneron (Quinci*)}
1996・11・21  蔵人 700円
ジョンソンにも載っている協同組合。一応ピノの香りがあるが、かなり貧相なワイン。酸味と渋みがまだあるので、あと一年くらい置いたほうが本当はいいのだろうが、それ程の価値はない。ピノはこのように、若飲みの日常用のワインに用いるにはあまり向いていない葡萄なのかもしれない。

Ruwer, Eitelsbacher Marienholz Riesling, '92, QbA, 9%, '93年生産者詰め
Bisch*fliches Konvikt (Bisch*fliche Weing*ter)
1996・11・24  高崎屋 0円  パーカーさん三ツ星。
爽やか。強靭な酸味。微かに泡立ちをさえ感じる。青林檎とモーゼル特有のミネラル風味。甘いワインではないのだが、飲んだ後に舌に残る心地よい甘味。なんとも気持ちのよいワイン。つい飲み過ぎてしまう。QbA にしてこの水準。

Vin de Savoie (Apremont), '90, Pierre Boniface (Montm*lian), 11%,
1996・11・29  しまや 2000円
薄黄緑色。山間で出来たワインであることを感じさせる酸度の高いぴりっとした酸味。香辛味あり。芳香も味も引き締まったもので、イタリアワインに近いという印象を持った。いくらか平板なところも。ジョンソンは若飲みと言っているので少し心配していたが、これだけ酸が強ければ簡単には悪くならない。

Moulin-*-Vent, '95, Georges Dub*uf (Roman*che-Thorins) Flower Label, 13%,
1996・11・30  プランタン銀座 2000円
本当に若いワインの鮮やかな紫色をしていた。そしてボジョレー特有の香り。それに若さゆえの植物的な生臭さがある。酸と渋みがまだある。微かに柔らかな甘味。全体にバランスのとれたしっかりしたものではあるのだが、それでもこのデュブッフにもガメイ種の貧相な感じがある。ガメイには何が欠けているのか。色素も酸も渋もアルコールも乏しくはないのだが。間違いの始まりは、ボジョレーを若飲みとして仕立てようとする発想にあるのではないか。もしくは、若飲み用と、そうでないのをしっかり区別しない飲み手に原因があるのかもしれない。

Pomerol, Ch.la Pointe, '90?,
1996・12・4   高崎屋 価格3500円。
まだ若かった。悪くはなかった。シャンブレが足りなかったか?

Hermitage, '91, L.de Vallouit の高級銘柄。Greffi*res?
1996・12・4   高崎屋。価格7000円くらい。
まだ若く、やはりシャンブレが足りないが、素晴らしい芳香がしていた。店主はこれが典型的なシラーの味だといっていた。

Chablis, '90, Olivier Tricon, Mis au Domaine, 12.5%, 
1996・12・5  高崎屋 ハーフボトル500円。
既に酸化していた。ハーフボトルだからか?

M*con-Burgy, '92, Chardonnay, 13%,
Cave de Lugny,Groupement Lugny, St.Gengoux a Lugny,
1996・12・5  高崎屋 1450円。
味はあったが、水っぽかった。

Barossa Valley, '93, Old Triangle, Riesling, 12%, Eden Valley Road,S.Smith & Son
1996・12・5  高崎屋 680円。
これはだいぶ良かったが、それでも幾らか水っぽい。

Niersteiner Rosenberg Riesling Kabinett, '89, Heinrich Braun, 8.5%, 生産者詰め
1996・12・5  高崎屋 500円。
最後に飲んだのでもうあまり味がわからなかったが、大した味はしていなかった。ヘッセンには、当然ながらモーゼル的鋭さはなかった。
ジョンソンのニールシュタインの項に名前のある生産者。

California, Buena Vista, Majorie, ソーヴィニョン・ブランとフレンチ・コロンバード
1996・12・6   近江屋酒店 700円
微かな甘い芳香。苦みが味の中心。水っぽい。ブエナ・ヴィスタの駄作。この苦みが更に分析できれはいいのだが。
香りはそんなにひどくはないが、味はとにかく没個性。なんか変な味。

Sainte Croix du Mont, '86, Ch.Laurette, 13.5%, G.A.E.C.Pons & Fils, 城詰
1996・12・7  高崎屋 定価1200円、値引きしてもらったが、率は忘れた。
何か変な、アルコールを混ぜたような香りと味がする。飲む気がしなくなる。甘味はまだ粗な感じがして、本来ならまだまだ熟成させたい味。ボルドーの甘口特有の芳香もあるのだが、とにかくこれでは話にならない。アルコール度数が高いせいだろうか、だが同じ度数のバローロはこんな味はしない。醗酵技術に問題があるのであろうか?
シンプルなアップルパイと非常に相性が良かった。

Arbois Poulsard, '85, Dom.de la Pinte (Propri*taire-R*coltant), 12.5%,
1996・12・8  しまや 2800円 料理:シュ−クル−ト
薄いが澄んでいて、深く明るい見事に鮮やかな色、それが既に少し茶色みを帯び始めていた。香りはブルゴーニュに似て、鼻の奥に沁みてくるよう。少し青臭さのある香り。色が薄いのに比すと、渋み、そして酸味がきつく、まだまだ熟成したのではないかと思う。これは味よりも香りが売りとなるだろうが、味も無内容ではない。
少し茶色がかった落ち着いたロゼ色。澄んでいて美しい。香りが素晴らしく、その立ち上り方はブルゴ−ニュにも比すべきもの。花を思わせるブ−ケだが、ブルゴ−ニュのような華やかさというよりは、落ち着いた、そして少々青い感じの(草の香)心地よいもの。味は、こくの点では一歩譲る感があるが、(北方のワイン独特の)酸味と意外に渋みもしっかりした、充実感を与えてくれるもの。「山のワイン」に注目するべし!

Saint-*milion Grand Cru Class*, '83, Ch.Cadet-Piola (G.F.A.Jabiol), 城詰
1996・12・9  船橋西武 4500円  料理:ブッフ・ブルギニョン
色は、チェリ−のような美しい赤。香りは、木苺のような香りから、土(もしくはいわゆるトリュフのような)香りへと変化して行く最中といったところ。まだ生涯の半ばにあるワインという感じ。まだまだフル−ティで、渋みもかなりしっかりしていた。しかしバランスはよい。全体に、偉大さ(メルロ−の艶やかで豪華なボリュ−ム感)というよりは、軽やかさを感じさせる、楽しいワイン。「ロココの香りのする」ワインとでもいおうか?ラベルに描かれた風景とワインのイメ−ジが非常にマッチしている。
久し振りに本格ボルドーを飲んだ。樽熟の香り(新樽35%)。飲み始めたときはまだ渋みが強かった。まだワインの花は開き切っていない。荒々しい青年期を過ぎて、壮年期にさしかかった頃。ただ偉大なワインになりえたかは疑問。Grand Cru Class*というのはちょっと大袈裟。

Coteaux du Tricastin, '93,  12.5%,
Dom.de la Serri*re, Mis en Bouteille par les Domaines Michel Bernard,
ドメーヌ・ミシェル・ベルナールは、南北ローヌ地方に40ものドメーヌおよびシャトーを持ち、栽培、醸造など、すべてを管理し、常に高品質なワインを生産しています。このコト・ドュ・トリカスタンはグルナーシュ、シラー、サンソー等を用いて造られる軽やかでフルーティーな赤ワインです。
1996・12・13  蔵人 610円
日常消費用赤ワインの理想が結実したもの。日常消費用の赤ワインに強いタンニンは余計である。立ち上るような芳香は贅沢品である。軽く、酸味は控えめで、口中にたっぷりとしたフルーツが広がるトリカスタンこそが、毎日の食事に申し分のない、一つの典型となるべきものである。ボジョレーには酸と渋がありすぎる。コト・ドュ・ローヌにはシャトヌフを指向しているものもあるので、トリカスタン・タイプのものは必ずしも出てこない。トリカスタンでなければヴァントゥーか。リュベロンは確か以前に失敗した。

Pened*s, '95, Mas*a Bach Extr*simo,
1996・12・14  銀座のスペイン料理屋El Chateo で ハーフ1200円
タラバガニのサラダ。南の白ワインに特有の苦みをもったワイン。悪くはない。

Pened*s, '91, Mas*a Bach Extr*simo,
1996・12・14  銀座のスペイン料理屋El Chateo で ハーフ1200円
地鳥のロースト。牛ミノの煮込み。樽のヴァニラ香がはっきりと感じられる赤。若く軽いものだが、樽香と調和していて飲みやすい。スペインの赤のまた一つの別の魅力を見出だした。

Deutscher Sekt b.A. Extra Brut, Scharzhofberger, ohne Jahrgang, '88壜詰 11.5%,
Flascheng*rung, Sanctus Jacobus, Vereinigte Hospitien Trier, aus eigenen Riesling-Gutsweinen,    高崎屋 0円
1996・12・15  料理:えびのオイル煮、サラダ(ブル−チ−ズドレッシング)
泡が邪魔!シュワシュワどころかパチパチとコ−ラのような泡立ちで、げっぷが出る。シャンパン方式をとっているということだが、まさに雲泥の差。味も何か妙な苦みがあっていまひとつ。発泡酒はシャンパン以外は飲まないことにしたい。

Saint-Est*phe, '83, Ch.Montrose, T.-L.Charmol*e, Mis au Chateau,
1996・12・15  蔵人 6080円  料理:鴨のボルドレ−ズ
これはお粗末。香りはなかなかいいのだが、とにかくコクが無い。そのくせ渋みと酸味は重量級のワイン並みであったため、バランスが悪く、渋みで唇はごわごわ、酸味で口内は引き締まってしまった。これで2級格付けとはちょっといただけない。

Neusiedlersee H*gelland Beerenauslese, '81, 88年壜詰め 9%, M*ller-Thurgau,
Winzergenossenschaft St.Martinus (Donnerskirchen),   山城屋 350mm 1800円
1996・12・15   田崎真也のソムリエ・セレクション  料理:林檎のパイ
香りは熟し切ったくだものを思わせる。口当たりはねっとりとした蜜のようなもの。味は意外に甘味がしつこくなく、むしろ強い酸味が印象的。干した杏のような凝集された味わい。うまい!

Lussac-Saint-*milion, '86, Ch.Barbe Blanche, 12.5%,  Vin*e Henri W Roi de France et de Navarre Propri*taire de Barbe Blanche jusqu'en 1602
1996・12・16  高崎屋 980円  料理:豚レバ−のカレ−クリ−ムソ−ス
くだものの軽い香りとそれにマッチした軽い味わい。とくに個性はないが、バランスのとれた、日常消費用のワインとしてはかなりの水準といって良いのではないか。

Louis Roederer (NM, Reims), Brut Premier, 12%,  蔵人 ハーフ1800円
1996・12・19
華やかな香りと繊細な泡、これぞシャンパン!味はかなり複雑。まず苦みと酸味、泡と解け合って一体となったミネラルのぴりぴり感。コクがあり、それでいて果実味もあった。キレも良く、どんな料理にも合いそうである。寝酒にするにはもったいなかったかもしれないが、たまの贅沢、これもまた楽しくて良い。

Wanneroo, West Australia, '90, Paul Conti Hermitage, Mariginup(畑名), 13.5%,
Grapes grown on the Mariginup Vineyard, Wanneroo and planted in 1958. Situated 26km north of Perth on the fertile coastal sand over limestone soils 6km from the Indian Ocean. The 1990 vintage was picked at full maturity and then matured in oak barrels for 12 months in the historic underground cellar. Thus resulting in a full flavoured soft and friendly wine which reflects the quality of the area. Bottled in December 1992. This wine will benefit with bottle age.
1996・12・22  高崎屋 1500円から?円値引きされた。
料理:スペアリブのソテー(トウチと甘味噌風味)
色は縁のほうから微かに変わってきている感じ。香りはまだフルーティで若い。味は全体にまろやかでバランスがとれている。ただまだ渋みも少々感じる。舌触りはなめらかで、きめ細かく、微かにアルコール感も感じるが、コクのあるタイプではない。しかしお買い得ではある。
オーストリア・ワインのコスト・パフォーマンスの高さを見せ付けた。既に熟成し始めた色。シラーの甘くふくよかな香りと、柔かい味わいが素晴らしい。シラーはやはりメルローに似ている。ボルドーのメルローの様にカベルネを混ぜたりしないだけ熟成が早く、中程度の熟成期間で飲める。一つの典型。フィルターをかけたりしていないようで、澱が残っており、渋があり酸味も強いが、未熟だとは思わない。オーストラリアのワインは超お買い得。

Tarlant (RM, Vignerons depuis 1687, Oeuilly) Cuv*e Louis, Brut, 12%,
1996・12・24  しまや 5250円
料理:エスカルゴ・ブルギニョン、鮭のカルパッチョ
酸味が非常に強い。熟成が足りない。泡も味の一部になりきっていない。
全体的に平板な味。酸っぱさばかりが感じられた。さらに、泡にも繊細さがいまひとつ欠けている。

Pommard, '78, Remoissenet P*re & Fils (N*gociants-*leveurs), 13%,
1996・12・24  蔵人 7920円     料理:チキンロ−スト
20分前にデカンタージュ。縁のほうは色が変わってきていた。始めは渋と酸味が強く感じられ、まだまだ置いておけたなと思わせたが、間もなくこなれてきた。しかしコクがあまり無かった。どうも長期熟成を可能にする要素を得させることばかりに力が入って、偉大なワインを造ることを忘れているのではないかという気がする。長期熟成によって偉大なワインになるのでなければ、殆ど意味がない。この点まるでポルトガルのガラフェイラのよう。このワイン値段だけの価値はなかった。

Orlando, '95, Jacob's Creek, Chardonnay, 12.5%,  蔵人700円
1996・12・25  料理:ホタテの刺身。チキンの和風サラダ生姜風味。
40分ほどしか冷やしていなかった。冷えるとともに風味が変わっていくのが感じられた。薄黄色。ある程度暖かいところで出来た熟した葡萄から造られたワインの香り。酸味は強くない。微かに甘いが、これがいけない。多少のコク。香辛味。少し嫌なアルコール感がある。

Rueda Blanco Secco, '91, Marqu*s de Ir*n (La Seca Valladolid), 12.5%,
1996・12・27  しまや 2000→1000円  料理:エスカルゴと茸のバター炒め
薄い黄色。グラスを揺すると、控えめだが良い香りが拡がってくる。苦みを中心とした味が十分に感じられる。酸味が後から結構追い付いてくる。これはステンレスタンクで醗酵させたものであろう。樽は使ってないようだ。乳酸醗酵もしていなく、一昨日飲んだオーストラリアのシャルドネと同じタイプ。これが今、暖かい地方での白ワイン作りの主流のスタイルなのであろう。これは上出来の白で、スペインの白をあまりないがしろには出来ない(パーカーのように)。

M*doc, Ch.Haut-Canteloup, Cru Bourgeois, '76, 城詰 E.Samiac, 2880円 蔵人
1996・12・27  料理:ステーキ・ボルドー風
七月頃兄のところで飲んだものとまったく同じものなのに、揺すぶっても暖めてもあの時の香りが出てこない。これが行ってしまうということなのか。まだ室温になりきっていないうちは渋みと酸味が強く感じられて、若過ぎるのかと思っていたが、暖めるとだらっとした感じの味になってきた。これはやばい。

Chianti, '94, Graducato (Poggibonsi, Consorzio Agrario di Siena), 12%, 
1996・12・28  蔵人 620円  料理:mini stop のホット・チキン
農業協同組合、すなわち農協ワイン。二年ものにしてはさほど鮮明な色ではない。程々に色が深く透明。流れ足は早い。キアンティ独特の酸味のあるいい香り。二年ものにしては感じられる渋がわずか。味にも酸味は感じられるが、酸っぱいというほどではない。私はキアンティにはきっとスパイシーなコンビニのチキンが合うに違いないと思ったが、見事であった。それと葱のバター焼き。この値段にしてはまったく申し分のないワイン。素キアンティはトリカスタンに並んで、若飲み用に打ってつけのワイン。

Brut, Pierre Paillard * Bouzy, 12%, Benoit Paillard(RM),  高崎屋 2000円
1996・12・31
店で棚晒しになっていたもの。これが僕がシャンパンに求める形。かなり熟成が進んでいて、色に茶が掛かってきていた。香りにも奥床しさが増し、とげとげしい酸は和らいで、泡もおとなしくなっていた。やはりノン・ヴィンテージ・シャンパンも熟成させなくてはいけない。


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